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徳島県三好市相知遺跡で平安期王奔墨書土器(長さん)

今回は、官衙関連建物とされる平安期の遺跡
から、「王奉勅筆立」等と書かれた墨書が出
土しているとの旨の紹介である。
 遺物の写真がweb上で公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所の発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
pdfファイル名は以下の通りである。
13449_3_四国縦貫自動車道建設に伴う埋蔵文化財発掘調査報告.pdf
発掘報告書名は以下の通りである。
徳島県埋蔵文化財センター調査報告書第59集相知遺跡、
2005、徳島県教育委員会・
財団法人徳島県埋蔵文化財センター・日本道路公団。
 発掘報告書第1本文pdfの冒頭例言によ
ると遺跡の場所は徳島県三好市(三好郡井川
町:当時)西井川。
 遺物が出土したのは、西暦1996年前後
の事のようである。
 遺物の成立年代は、発掘報告書第2本文
pdfの第161ページによると、遺跡全体
が石製巡方の出土により、9~10世紀の、
平安時代中期と考えられていると取れる旨、
記載されているようである。
 遺物の写真は前記第3写真図版pdfの、
(写真)図版第33:”(第6区)包含層
出土遺物(2)”の右下に在り、遺物番号第
307番との旨、ナンバリングされている。
須恵器の甕の破片との事である。

相知遺跡王奔.gif

 上図のように写真の中央に、縦に王奉と、
かなり濃く漢字で書かれているような煤模様
が見え更に、割れていて見難いが、その下に、

丸に囲まれて、”勅筆立”と書いてあるよう

にも見える。王奉であり、奔王ではないので、
将棋駒を表現したものではなくて、官衙で、
事務官が、中央から命令された文書を書き写
す、筆記具を立てるのに使用している容器
であるようにも見える。この遺跡では少し離
れた所の3区で介クラスの人物が使用したと
推定されているように発掘報告書から読み取
れる、石製巡方(ベルト止めのように私には
見える)が共出土していると報告され、それ
を根拠にして、建物については官衙関連であ
ろうと推定されているようである。官衙関連
であろうと推定することに関して、

事務用品が出土しているので益々確からしい

という事に、或いはなるのではないかと私見
する。(2022/05/16)

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