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兵庫県神戸市大開遺跡で11C後奔金墨書土器(長さん)

今回は、遷都で知られる福原近く、兵庫県
神戸市の大開遺跡で平安時代成立の井戸跡
の中から、「奉金」と内面に書かれている
ように見える土器が、出土したとの旨の話
題である。結果として言えば、

貴金属が大陸から日本へ平安時代末、ある
程度流入していた

のであろう。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書データベース
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
pdfファイル名は以下の通りである。
11231_3_大開遺跡発掘調査報告書.pdf
 なお、pdfの順序が乱丁しており、
4→2→1→3と続く。第4pdfが本文
pdfであり、第3pdfは写真pdfの
末。第2pdfの途中から、科学分析が終
了して、写真図版pdfとなっている。
発掘報告書の名称は、以下の通りである。
神戸市兵庫区大開遺跡発掘報告書、1993年、
神戸市教育委員会・(財)神戸市スポーツ教育公社。
 遺跡の位置は、発掘報告書第4pdf冒
頭の例言によると、兵庫県神戸市兵庫区
大開通4丁目1-39。遺物が出土したの
は、西暦1988年前後の事のようである。
 遺物の成立年代は井戸跡第101号で以
下話題とする土器が出土したが、遺物の形
態から緯度自体が11世紀後半と見られて
いるとの旨が、発掘報告書第4本文pdf
の、第201ページ付近に記載されている。
 遺物の写真は、写真図版最終pdfであ
る、第3pdfの写真図版第75:”1.
井戸跡(SE)第101号出土土器”との
旨の、下の写真のコマの、上段左から2番
目に上から見下ろす写真として撮影されて
いる。遺物に番号は、特に付いていない。

大開遺跡奔金.gif

 上図の真ん中の遺物を見て判る通り、底
で写真では中央より下に、金とかなり濃く
書いて有るように見え、その上の文字は、
はっきりしないが奔ではなくて、奉のよう
である。なお上段の3枚が、ほぼ同じ形の
土器であり、左から順に、

奉万、奉金、奉万

と書いてあって、2番目であるように私見
する。
 院政期から平家政権の時代に、渡来人が、
朝廷ないし平家に大量に、貴金属を献上し
たのではないだろうか。福原遷都も、その
ような背景もあって、実現しかけたのでは
ないだろうかと、想像出来るような遺物だ
と私は思う。(2022/05/11)

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