SSブログ

兵庫県加美町長見寺廃寺址で白龍墨書瓦(長さん)

今回は、飛鳥期から奈良時代にかけての
兵庫県の遺跡の掘立て柱住居跡屋根瓦と見
られるものに、漢字で白龍と書いて有るよ
うな模様の有る、遺物の紹介である。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書データベース
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
pdfファイル名は、以下の通りである。
48406_1_長見寺廃寺址.pdf
 発掘報告書名は、以下の通りである。
兵庫県文化財調査報告第315冊香味町
長見寺廃寺跡址、2007年3月、
兵庫県教育委員会。
 なお、現在現地に長見寺という寺は存在
しない。実質遺跡は長見寺跡である。
発掘報告書冒頭の例言によると遺跡の場所
は、美方郡香美町香住区香住字長見寺
(旧香住町香住)。遺物が出土したのは、
西暦2002年前後のようである。
 遺物の成立年代は発掘報告書の88ペー
ジ付近に、古墳時代後期・飛鳥時代・奈良
時代成立の瓦の一種の鴟尾であるとの旨の
紹介がある。
 遺物の写真は、発掘報告書写真図版の、
第37:”遺物”の最上段に在り、遺物
通し番号で、第176番との旨、ナンバリ
ングされている。

長見寺廃寺白龍.gif

 上図のように、遺物の写真の中央やや左
側に、時計回りに傾いて、山の記号のよう
なものの下に、漢字で白龍と書いてあるよ
うに見える、暗い模様が有る。
 青龍では無いため、四神とも言えず、
大大将棋等の将棋駒名であるとは考えられ
ない。
 山の端にある寺跡であり、飛鳥時代前後
である事から、神道は在っても仏教は伝来
初期であり、神道の山岳信仰に絡んだ祈祷
等の祭祀が寺のような施設で行われ、その
ときに寺の所有のはずの瓦に、写真のよう
な、何らかの祈祷祭祀のための書き込みが
行われたのかもしれない。白蛇が御神体と
いう神社は、今でも多いはずだ。よって仏
教伝来初期の時代の、宗教的祭祀の跡なの
であろう。(2022/05/17)

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー