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大阪府八尾市八尾南遺跡で5C後半森鬼墨書埴輪(長さん)

今回は、大阪府八尾南遺跡で、古墳時代の埴輪
の破片に、漢字で大局将棋の駒名、森鬼と読め
るような黒い模様の有る遺物が出土していると
いう話題である。

「旱時鬼」と書かれ、雨乞い儀式用の道具

に使われるのではないかと、疑われる。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所の発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
pdfファイル名は以下の通りである。
4740_2_八尾南遺跡財団法人八尾市文化財調査研究会報告47.pdf
発掘報告書の名称は以下の通りである。
八尾南遺跡/財団法人八尾市文化財調査研究会報告47
第8次調査・第12次調査・第17次調査、
1995年、財団法人八尾市文化財調査研究会。
 遺物はこのうち、第8次調査の西地区で出土
したようである。
 発掘報告書第1本文pdf第8次調査編冒頭
の例言によると、遺跡の場所は、大阪府八尾市
若林町1丁目87番地他2筆。遺物が出土した
のは西暦1987年前後の事のようである。
以前別の、八尾南遺跡出土遺物を紹介した事が
有るが、そのときの遺物は若林3丁目から出土
していた。かなり遺跡の広さが、広いような印
象を受ける。
 遺物の成立年代は、発掘報告書第1本文
pdf、第8次調査編121ページ付近の記載
によると、遺物は八尾南遺跡第10号墳墓(報
告書作成時の西地区第3号墳)から出土し、
共出土した須恵器の形式がTK23形式と記載
され、古墳時代の5世紀後半に成立したものと
考えられているようである。
 遺物の写真は(写真)図版第32:”西区3
号墳出土遺物”の上から2段目左側に在り、
遺物番号第316番とナンバリングされている。
広口瓶のような形の土器の破片のように、私に
は見える。朝顔形埴輪の破片との事である。

八尾南森鬼.gif

 上図のように写真図の中央よりも、やや右上
に、漢字で森のようにも見える黒い模様が在り、
その更に右上に、鬼と書かれていると言われれ
ば、そのようにも見えるような、やはり黒い模
が在る。朝顔型埴輪という名称からは遠い、暗
いイメージの文字内容ではある。
 江戸時代成立とされている大局将棋の、5世
紀後半の存在を示唆しているとは思えないが、
唐突とした内容であり、いっけんして意味不明
である。
 そこで、埴輪の模様を更によく見ると、

森ではなくて、時のように読める。

発掘報告書には指摘が、今のところ私には見当
たらないが、何か書いては有るようである。す
なわち、森と見た文字の更に左に、薄く漢字で、
「旱」と書いてある。この事から旱時鬼(を払
う)等の意味と読め、

古墳時代に、雨乞いに転用した埴輪ではないか

と疑われてくる。地方の豪族は呪い師や神官を
兼ねていて、仏教が伝来して僧侶等が雨乞いの
祈りを捧げる以前にも、旱魃のときには、それ
を終わらせるための儀式等を、墳墓の付近に、
人を集めて行ったのかもしれないと私見する。
将棋とは関連の薄い遺物であろう。(2022/05/25)

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