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山形県南陽市中落合遺跡で古代奔龍墨書土器(長さん)

今回は、山形県の平安期成立の遺跡で、
龍神信仰と見られるカワラケ状土器に、
漢字で奉龍と墨書されたと見られる、
土師器遺物とされる出土物品に関し、
刻書土器であるとの旨を報告した、発掘
報告書との読みの差を比較する。単なる

刻書とされるが、写真では刻みが×では
無く”/”にしか見えない。

本ブログの見る漢字模様は煤と見られて
いるのかもしれないが。発掘報告書解釈
には、

写真と大きな差が有り、納得困難と私見

する。
遺物の写真はweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
pdfファイル名は、以下の通りである。
5551_1_中落合遺跡発掘調査報告書.pdf
発掘報告書の表題は以下の通りである。
中落合遺跡発掘報告書、2008年、
山形県埋蔵文化財センター。
 発掘報告書末尾の抄録によると、遺跡
の場所は、山形県南陽市中落合。題材に
する遺物が発掘されたのは、同じく抄録
から西暦2005年前後であると読み取
れる。
 遺物の成立年代についは発掘報告書の
20ページ付近等に説明があり、
平安時代8世紀末~9世紀後半成立の
土器であると見られているように読み取
れる。
 遺物の写真は発掘報告書の写真図版46:
”遺構外出土遺物”の最下段中央に在り、
遺物番号で第288番とナンバリングされ
ている、土師器と説明のある、カワラケ
のような形の、写真では底面に関してで
ある。

中落合奔龍.gif

 上図のように、発掘報告書のスケッチ
図71等で、刻書で×印が有るとされる
が、”/”型の傷が目立ち、その他に、
煤のようなカスレた漢字で、奉龍に見える
模様が有ると言われれば、そのように見
える黒い模様が写っている。奉は大の形
の中央部だけ残存、龍はツクリ部分は切
れ切れである。

摩訶大将棋等には関連し無い、平安期の
龍神信仰

と、本ブログでは過去の複数例と同様に
考える。他に×刻印土器が出土している
ので、発掘報告書のように解釈する、刻書
遺物解釈自体は尤もらしいが。この遺物に
限っては、

写真に”/”しかはっきり写っていないの
で、発掘報告書の解釈に、明快性が感じら
れない例のように私見

される。
 なおこの遺物は数十個出土した墨書土器
からは、発掘地点が少し離れているようで
ある。漢字の奉と墨書された遺物は存在例
がこのケースには見当たらないが、”木”
と書かれている墨書土器が十個前後、この
遺跡のこの回の発掘で、出土しているよう
である。信仰に関連して土器に墨書される、
比較的ポピュラーなケースのひとつではあ
るまいか。
 あるいは写真には墨書のように撮影され
ても、影のようなケースの例なのか。本ブ
ログの情報には、発掘報告書の見解とは、
この例の如くにズレが有る場合が多数であ
り、ノイズが全く無いとも言い切れないと、
私は懸念するようになった。(2022/03/17)

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