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宮城県仙台市下ノ内遺跡で9C初奔馬刻書土器(長さん)

今回は、宮城県仙台市の下ノ内遺跡で、いつ
ものように墨書ではなくて、刻んで字を書く
方式で奉馬と漢字で書いたように見える、
平安時代初期、9世紀初程度成立の土器遺物
について紹介する。
 遺物の写真が、web上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
pdfファイル名は、以下の通りである。
21272_1_伊古田遺跡・大野田古墳群・下ノ内遺跡.pdf
発掘報告書の表題は以下の通りである。
仙台市文化財調査報告書第413集
伊古田遺跡・大野田古墳群・下ノ内遺跡、
2013年3月、仙台市教育委員会。
 遺物はこのうち、第3番目の下ノ内遺跡で、
発掘されたようである。なお、これらの遺跡
は近接しているようでありすべて、
大野田官衙遺跡の西側周辺にあるらしい。
 発掘報告書の冒頭例言によると、遺跡の
場所は仙台市の仙台駅南方の、市街地南部、
富沢駅周辺に有るといい、住所は巻末の抄録
によると、宮城県仙台市太白区富沢四丁目等
のようである。また遺物が出土したのは抄録
から、西暦2006年前後の事のようである。
 遺物の成立年代は、発掘報告書の第54ペー
ジ付近の記載で遺物は第417a竪穴住居跡
から出土したが、出土遺物のロクロ使用の有
無等(半々)から、8世紀後半~9世紀初、
奈良時代の終わりから平安時代にかけてであ
ると解釈されているように読み取れる。
 遺物の写真は発掘報告書の写真図版第19:
”下ノ内遺跡(19)、出土遺物(1)”の
ピット遺構の写真のすぐ下左に在り遺物番号
で、第4スケッチ図の第3番との旨、ナンバ
リングされている。取っ手の両側に付いた、
広口の甕の形の水を入れる、バケツのような
土器である。

下ノ内奔馬.gif

 上図のように、煤に覆われているのと、直
ぐ左に割れたようなギザギザが有り判りにく
いが、

奉馬と彫ったような漢字の模様が見える

ように思われる。墨書ではなく刻書で平安時
代に、献上馬の水入れバケツを意味するよう
に見える奉馬(用)という字の入った土器が、
仙台市市街地内に存在したようである。周辺
部にあたるため、大野田官衙に納める乗馬用
の馬を、平安時代初期のその頃に、現富沢四
丁目で飼っていたという事なのであろうか。
 専用に、消えないように用途を示す字を、
わざわざ彫った水桶を貰っている位だから、
その献上馬は、さぞ大事に飼われていたので
あろう。(2022/03/31)

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