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栃木県宇都宮市聖山公園遺跡で古墳期奔人墨書土器(長さん)

以前、奈良時代成立の、調理器具ではないかと
みられる、”転(轉)子”と本ブログが読んだ、
棺桶型の甕に分類された墨書土器が出土した、
栃木県宇都宮市の聖山公園遺跡で今度は時代が
違い古墳時代の、”奉”墨書文字土器も出土し
ていたことが判ったので以下に紹介する。
 遺物の写真がweb上に公開されており、
発掘報告書に記載されている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
pdfファイル名は、以前述べたように以下の
通りである。
71427_2_聖山公園遺跡・根古谷台遺跡.pdf
発掘報告書の表題も同じく以下の通りである。
聖山公園遺跡・根古谷台遺跡(古代・中近世編)、
西暦1993年、宇都宮市教育委員会。
 発掘報告書冒頭の例言によると遺跡の場所は、
栃木県宇都宮市上欠町。遺物が発掘されたのは
西暦1985年前後のようである。なお、この
遺跡は、この時点で聖山公園遺跡と呼ばれてい
たが、この後直ぐにその一部で、より古い遺跡
の重なりが発見され、そちらに根古谷台遺跡と
の名称が、付与された。今回紹介する遺物が出
土したのは、聖山公園側とみられる。
 今回紹介する遺物の成立時期は、発掘報告書
第1pdfの第11ページ以下によると、遺物
が出土した第10号住居跡は、古墳時代成立と
して分類説明されており、出土した土器もその
頃の物とされたように読み取れる。
 遺物の写真は、第2写真図版pdfの、写真
図版(PL)第29:”①10号住居跡出土遺
物”の第2段目右に在り、そのページの第6番
とナンバリングされているようである。

聖山公園奔人.gif

 上図のように、中央やや左上に寄って、縦に
奉人ないし、奉火と書かれているようにも見え
る。奔人なら摩訶大大/摩訶大将棋、奔火なら、
大局将棋の火鬼の成り駒名である。
 第2字目は火で、左の点が無いように見える。
更に、薄い所まで入れると、第2字目は”从(
従う)”のようでもある。奉り&従うのか?
 一方第1字には、下部に卉が有るようであり、
その点では奔のように見える。が、第1字目の
上部は、大では無くて、夫+横棒一本のような
ので、ひとまず奉と読んでおく。奉王と奔王と
の、関連性を示唆する遺物である。
 その他奉の右横に、ひらがなの”や”にも見
える、煤模様が有る。古墳時代に、ひらがなが
有ったという説は、あまり私は聞かないが。
 古墳時代の栃木県宇都宮市の有力者、一例、
ト鯨氏に、何か貢物を差し出すための、入れ物
の甕なのかもしれない。

この例は曖昧で釈文は、私には正確に示せない。

 《奉》墨書土器の一例とだけは解釈できるよ
うに、私は認識する。(2022/07/14)

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