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静岡県浜松市伊場遺跡で古代奔王等墨書木製品(長さん)

以前、表題の遺跡については、律令時代の漢字「国」
墨書木簡について紹介した事があった。が、同じく
古代:律令時代の木製品に、奉王や奉山の字が書かれ
ているのを見出したので以下に紹介する。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所の発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に、登録・公開されている。
pdfファイル名は、以下の通りである。
16240_1_伊場遺跡遺物編8.pdf
 発掘報告書の名称は、以下の通りである。
伊場遺跡発掘調査報告書第10冊
伊場遺跡遺物編8(木製品Ⅱ・金属器・骨角器)
2002、浜松市教育委員会。
 発掘報告書の末尾の抄録によると、遺跡の場所は、
静岡県浜松市東伊場二丁目22及び東若林町。
ここで話題にする遺物が発掘されたのは、西暦
1970年代の事のようである。
 遺物の成立年代は、以下話題にする木製品は何れも
曲げ物の底板であり、出土層の位置から、奈良時代の
8世紀には、今の形のような物品が成立していたと、
発掘報告書には述べられているように読取れる。曲げ
物底板には中世成立のイメージが有るが、以下の物品
は奈良期に成立したものと考えられているようである。
 遺物の写真は、1つが発掘報告書の写真図版第7:
”伊場遺跡”の第2段目左から3個目に在り、遺物
番号第275番との旨、ナンバリングされている。

伊場遺跡奔王.gif

 上図のように、第1字目が、ぼやけているが奉王
と、漢字で書かれているように見える。
 2つ目は、発掘報告書の写真図版第52:”伊場
遺跡”の最上段右に在って、遺物番号第735番と
の旨、ナンバリングされている。

伊場遺跡泰山.gif

 左側に、漢字で縦に、第1字目がやはりぼやけて
いるが、奉山と書いて在るように読取れる。
 時代は下るが、弥生時代後期から存続した、有力
者の祖先に対する崇拝祭祀の奉山奉王墨書が、この
ケースは奈良時代の頃の、食材を入れる容器にも書
かれているという事なのであろう。(202/07/22)

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