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佐賀県中原町原古賀遺跡で古代川龍墨書土器(長さん)

今回は、川蛇を意図しているとみられる、
墨書土器とされる佐賀県出土の奈良~平安
初期の出土遺物の紹介である。

いっけん将棋駒名のようだが、大局将棋には
地龍、水龍は有っても山龍、川龍は無いから、
将棋とは関連無いと思いきや、”川痺它”と
書かれている為、将棋駒として、通用しそう
な単語

である点が興味深い。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が
奈良文化財研究所発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
pdfファイル名は、以下の通りである。
18556_1_佐賀県農業基盤整備事業に係る文化財調査報告書.pdf
 発掘報告書の名称は、以下の通りである。
佐賀県文化財調査報告書第101集佐賀県農業基盤整備事業
に係る文化財調査報告書9、1991年3月、
佐賀県教育委員会。
 発掘調査された遺跡が全部で39箇所紹介
されていて、そのうち第5番目に、ここで
紹介する製鉄関連有力者住居跡遺跡である、
原古賀遺跡群(原古賀一本谷Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ遺跡}
が載っている。遺跡の場所と出土時期は、
発掘報告書の第96ページ付近の記載による
と、佐賀県三養基郡中原町大字原古賀字一本
谷で、西暦1989年前後に出土したという。
 遺物の成立年代は、同一ページの説明によ
ると、前記の通り、8世紀~9世紀に成立し
た、製鉄関連の有力者住居跡での、複数の、
墨書土器の一つと読取れる。
 遺物の写真は、次の97ページの下の方に、
2段で写真が在るうちの、下段中央の土器の
底の写真と見られるもので、遺物番号第8番
との旨、ナンバリングされている。

5原古賀遺跡川龍.gif

 上図のように、第1字目の川が目立ち、
底の中央に、判読が難解な第2字と、さらに、
その下やや右に、竜とも他の文字とも、これ
もかなり、判読が難しい文字が在る。
 第2字目を絵だと見て抜かして「川竜」と
読めば、大局将棋の川将を連想するが、将棋
駒名に川竜、川龍等は、余り知られていない。
 そこで大局将棋等には関連が薄そうである
が、更に字をよく見ると、

第2字目は”痺”(しびれる・ヒ)に、やや
近いような模様であり、第3字目は蛇の虫へ
んを省略した”它”(へび・ダ)が近い

ように見える。全体で川痺它は、ヤマカガシ
が、川を泳いでいるような、意味にとれると
私見する。
 意味が「川毒蛇」に近いので、コワモテし、

3文字将棋駒名として、川痺它や川痺蛇は、
成立

しそうである。神道系の蛇信仰に関連した、
古代の祭祀用の土器かもしれないと、結論さ
れるが、蛇の魔力を強調したような、面白い
内容の墨書のように思う。(2022/07/16)

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