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静岡県浜松市寺海土遺跡で中世行猪墨書土器(長さん)

今回は、静岡県浜松市の遺跡で、和将棋の
将棋駒名を連想させる、漢字で「行猪」と
書かれているようにも見える、墨書土器の
話題である。

行者と書いた、可能性が高いと見られる。

 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は、以下の通りである。
21875_4_中通遺跡・寺海土遺跡.pdf
 発掘報告書の名称は、以下の通りである。
静岡県埋蔵文化財センター調査報告第15集
中通遺跡・寺海土遺跡、2012年、
中日本高速道路株式会社東京支社・
静岡県埋蔵文化財センター。
 発掘報告書第1pdf冒頭の例言による
と、遺跡の場所は静岡県浜松市浜北区根堅。
遺物が発掘されたのは、西暦2005年前
後の事のようである。
 今回紹介する遺物の成立年代は、発掘報
告書第1本文pdfの第388ページ付近
によると山茶碗の破片であり、鎌倉時代前
後の13世紀程度の中世のものであると、
見られているように読取れる。
 遺物の写真は、発掘報告書第4pdfの、
写真図版第100:”墨書土器(2)”の、
第4段目右側に在り、遺物番号第1633
番との旨ナンバリングされていて、「行口」
と釈文されている。

寺海土行猪.gif

 上図のように、墨書土器の破片の底部の
ように見え、第1字目は「行」。第2字目
は欠けていて、ツクリの一部しか見えない
ようにいっけん思えるが「者」の第4画目
までだけを残して消えたとすれば、一例と
して、猪が該当する。そのため和将棋・
大局将棋の将棋駒名の「行猪」のようにも
見える。なお、第1字目と第2字目の間に、
横線が有り、汚れと解釈してそうなる。
 和将棋・大局将棋は江戸時代成立とみら
れるため、鎌倉時代に、それらの将棋の、
駒名から来る墨書があるとすれば、驚きで
ある。
 そこで、文字を良く見ると、

第2字に関して、者にケモノヘン等へんが
付いているとは考えにくい。

者の字が猪にしては、左にややズレている。

「行者」の可能性が、最も高い

のではないか。中世に祭祀を行う場所が近
傍に在り、行者が居て彼が使用する土器で
ある事を示すために付けた、墨書きである
可能性が、かなり疑われると私見する。
(2022/08/03)

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