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宮城県仙台市欠ノ上遺跡で9C中石奔墨書土器(長さん)

今回は、杯型の土器の裏面に明らかな墨書きが
あると発掘報告書でも指摘され、一見「七石奉」
と読める七の余計な奔石類字語句の墨書が有る
遺物の紹介である。

 妙見菩薩や北斗七星信仰とも関連する七つ石
の場所に納めて置く祭祀用の土器

かもしれない。中世のイメージだが、成立は
平安初期とされ、かなり早い。
 遺物の写真が、web上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所の発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は、以下の通りである。
9883_1_欠ノ上Ⅱ遺跡.pdf
 発掘報告書の名称は、以下の通りである。
仙台市文化財調査報告書第246集
欠ノ上Ⅱ道跡発掘調査報告書、2000年3月、
仙台市教育委員会。
 発掘報告書末尾の抄録によると、遺跡の場所
は、宮城県仙台市太白区郡山字欠ノ上2-10。
遺物が出土したのは、西暦1999年前後の事
のようである。
 遺物の成立年代は、竪穴住居跡第8号で、こ
こで話題にする遺物は出土したが、発掘報告書
第55ページ付近の記載によると、9世紀半ば
で、やや前の方との旨取れる記載がある。共出
土土器遺物の、ロクロ使用の有無(使用してい
る)の形態と、住居跡の切り合いから、割り出
したとの事である。
 遺物の写真は発掘報告書の写真図版第17:
”須恵器(杯)・陶器・磁器”最上段右上に在
り、遺物番号は写真図版では4番となっている
が、第4竪穴住居跡スケッチ図では第5番と、
ナンバリングされている。

欠ノ上石奔.gif

 上図のように明らかに3文字の墨書きが在り、
発掘報告書では「七古市」と釈文されているが、
意味の議論は、私には発見できていない。
 第2字目の、第2画目の縦棒が短すぎて、
比較的整った字だが、古よりも、傷か墨そのも
のの存在によって私見だが石に見える。第3字
目は、はっきりしないが、仮に奉と読んでおく。
意味は通らないが市も、否定はできないだろう。

七(つ)石を祀る場所に、神酒を入れる容器を
置いたようなイメージ

が、一例として想像されるように思う。7つの
石を七つ星に準えた星辰信仰ではないだろうか。
 妙見菩薩とか武者神とみられる北斗七星信仰
というと、中世のイメージだが。器は平安時代
早期だという事である。仙台では、星祭が随分
と早くから行われたらしいと、月遅れの七夕を
思い出し、おおいに感心させられた。(2022/08/07)

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