SSブログ

熊本県玉名市両迫間日渡遺跡で古墳期山奉墨書土器(長さん)

今回は、古墳時代の祭祀用の奉土器が、熊本県
玉名市からも出土したとの紹介である。なお、
玉名市市内では、本ブログの管理人が知りえた
祭祀墨書土器として、これが初となった。だが
熊本県全体としては、大津町ワクド石遺跡で、
奉の字は無いが、馬を献上している旨読み取れ
る祭祀史料を本ブログでは以前に紹介している。
 この遺物は、今までの例としては珍しく、
奈良文化財研究所の発掘報告書データベース上
で確認したものでは無くて、以下の成書に紙媒
体で写真が載っていたのを発見したものである。
成書名は、以下の通りである。
発掘された日本列島2022、文化庁、西暦2022年、
㈱共同通信社。
 遺跡の場所は、記載されていないが玉名市と
だけ前記成書の第42ページ冒頭にある。西暦
2019年前後に出土したのであろうか。この
年に、玉名市両迫間558・559・362番
地で、発掘調査が行われたらしい。
 成立年代は、遺跡の発掘地点全体が、5世紀
の古墳時代中期と考えられている旨が、同じく
成書第42ページに記載されている。
 遺物の写真は、成書の第43ページ、中段に
祭祀遺構A(出土遺物)との旨の挿入写真の、
ミニチュア土器集合の写真が在り、その右下の
一塊の、上側の左から2番目にある。小型の茶
碗のような形の土器に私には見える遺物である。

両迫間日渡山泰.gif

 上図の中央の土器に関してだが。
重なりを避けて覗いた部分の口の下に、比較的
大きく”山”と書かれている模様が、書籍上で
も薄く見え、その下、やや右に奉であると言わ
れれば、そのようにも見える、煤模様が在る。
 画像処理をすると、肉眼で書籍を目視した印
象の、ほぼその通りに山奉の模様が、浮き出る
ように思う。
 成書の本文に、共出土した祭祀史料が、関西
ものとパターンが同じであり、初期ヤマト王権
側に立つ豪族の支配地だろうとの旨の記載があ
るようである。支配層の為の鉱物資源の捜索等
が古墳時代中期に、少なくとも玉名市で行われ、
識字力も在り、山を奉じる神官も兼ねていた住
人が、使用していた祭祀場なのかもしれない。
5世紀の関西系の支配層が熊本県玉名市付近に、
勢力を保持していた証拠なのではなかろうか。
 なお、字が薄い為か、前記成書に墨書の指摘
は、記載されてい無いように思う。(2022/08/16)

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー