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宮崎県延岡市早日渡遺跡で縄文早期山鬼墨書土器(長さん)

今回は、宮崎県東臼杵郡北方町(当時)の
早日渡遺跡で、縄文早期土器の破片の内面に、
漢字で「山鬼」のように見える模様のある、
土遺物例の紹介である。

画像処理すると山奉のようであり、弥生時代
後期に、そのように加筆された

のではないかと、本ブログの管理人は疑う。
 遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所の発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は、以下の通りである。
3129_1_打扇遺跡・早日渡遺跡・矢野原遺跡・蔵田遺跡.pdf
 発掘報告書の名称は以下の通りである。
打扇遺跡・早日渡遺跡・矢野原遺跡・蔵田遺跡、
1995年、宮崎県教育委員会。
 このうち話題とする遺物は、2番目の
早日渡遺跡(はやひといせき)で発掘された
ようである。
 冒頭の調査に至る経緯によれば、遺跡の場
所は宮崎県東臼杵郡北方町(当時。(現)
延岡市)大字巳174番地。
遺物が出土したのは西暦1990年前後の事
のようである。
 遺物の成立年代は、発掘報告書第26ペー
ジ付近の記載から、遺跡自体が縄文時代早期
成立で、土器はほとんど縄文早期のものであ
ると認識されていると読取れる。
 遺物の写真は、発掘報告書写真図版7の、
左カラム、Ⅰc・Ⅰf・Ⅰg・Ⅰh類土器
;遺物番号第149番~162番との旨の、
報告書の向きで右上隅にあり、遺物番号は、
本文38ページのスケッチ図の記載から、遺
物番号第162番の内面の写真のようである。
なお、遺物観察表によると、第162番土器
破片は、Ⅰh型との事であり、スケッチ図が、
魚拓方式で作成されているようにも見え、裏
返しであり多分だが、内面のように見える。

早日渡遺跡山鬼.gif

 上図のように、pdfの目視では、第2字
目が鬼か兎のようにも見えるが、

漢字で山奉と書かれている

ように、疑われる。奉の下部の「キ」は、
はっきりしない。夫に横棒一本足しの一例か
もしれない。
 内面とすれば使用中に書かれたとは思えず、
弥生時代後期等に、今まで述べた他の1~2
例同様、一度掘り出されて、

祭祀用に転用され、山奉と書かれた

のではないかと、本ブログの管理人は疑う。
正確には福岡県筑後市鶴田牛ケ池遺跡神墨書、
鹿児島県鹿屋市四方高迫遺跡の奉山墨書に
ついで3例目であり、九州では、西暦紀元の
頃の人口が多いため、このような例が複数出
現するのではないかと私は疑っている。他の
所で述べたが、九州で縄文時代早期の遺物に
加筆する行為が行われたのは、土器面が平ら
で、たまたま書く事が可能だからであろう。
(2022/08/22)

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