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富山県富山市明神山遺跡で近世奔龍墨書土器(長さん)

今回は、富山市の明山遺跡で、近世の瀬戸物
椀の底に、奉龍のような字の書いてある遺物
の紹介である。

「金札」・「奉札」・「金礼」・「奉礼」の
どれかではないかとみられる。

遺物の写真がweb上に公開されていて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が、
奈良文化財研究所の発掘報告書データベース
全国遺跡報告総覧に登録・公開されている。
 pdfファイル名は、以下の通りである。
115842_1_富山市明神山遺跡発掘調査報告書.pdf
 発掘報告書の名称は以下の通りである。
富山県埋蔵文化財調査報告107富山市
明神山遺跡発掘調査報告書、2022、
富山市教育委員会。
 発掘報告書末尾の抄録によると、遺跡の
場所は、富山県富山市茶屋町・寺町。遺物が
出土したのは、西暦2021年前後の事のよ
うであり、最近である。
 遺物の成立年代は発掘報告書の第38ペー
ジ付近によると、ここで話題にする遺物は、
富山県産の瀬戸物で、その形から18世紀成
立とされ、筒状の椀で墨書遺物と認知され、
「金ケ口」と3文字書かれているとの旨、紹
介・釈文されている。
 遺物の写真は、発掘報告書の写真図版第
25:”A区遺物(12)”の左上に在り、
遺物番号で第145番との旨ナンバリングさ
れている。瀬戸物や土器の裏面の写真のよう
に見える。

明神山遺跡奔龍.gif

 一見、奉龍と読んでしまうが、発掘報告書
の指摘通り、下の字は左側が欠けている上に、
ぼやけた像に劣化し難解である。第2字目の
「ケ」は、私には所在が確認できない。

第1字目は、金かもしれないが奉かもしれな
い。下の字は、礼のようだが、札も否定でき
ない

だろう。
 祝い事に使用する筒状の器で、金粉入りの
茶を注いで飲む器等が連想される。つまり
「金粉入りの茶で御礼」の意味か。
 あるいは、筒状の容器に札を立てる、祭事
や仏事用の容器か?
 室町時代に摩訶大大将棋/摩訶大将棋は有っ
たと本ブログでは見ているので、将棋名でも
矛盾は無いが。このケースは、第2字目が、
そもそも龍である可能性は少ないので、幕末
にかなり近いが、将棋とは無関係かもしれな
い。(2022/08/05)

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